銘柄分析

【銘柄分析】アマゾン(AMZN)

 この記事では、私が米国個別株の売買判断をする際に必ず確認する7項目を使って、アマゾン(AMZN)の銘柄分析を行います。

 7つの判断基準の考え方の詳細は以下の記事にまとめています。併せてご確認ください。

【銘柄分析】米国株個別株検討の際に確認する内容の紹介 米国株個別株の購入を検討する際に、私が必ず確認する内容(指標)についてお話しします。皆様の投資対象を決定する際の参考にしていただければ...

 アマゾン(AMZN)は、今は保有していませんが、過去に保有していたことがあり、今でも継続してウォッチしている銘柄です。
 私のアマゾンンに対する考え方をお話ししますので、参考にしていただければ幸いです。

株価分析結果

 7項目については以下の表のとおりで、6項目で判断基準を満足しています。

項目過去実績(17-20年)将来予想(21-22年)判定
①比較優位性・ブランド力Amazon(通販)
AWS
同左
②売上高成長率10%程度以上+29%+23%
③純利益成長率10%程度以上+89%+31%
④営業CF成長率10%程度以上+53%不明
⑤フリーCF成長率10%程度以上+59%不明
⑥予想PER40(来期35)程度以下
 理想は35(来期30)程度以下
59(今期)46(来期)×
⑦その会社が好きAmazon(通販)
Amazonプライム、kindle
同左
Amazon Go
(参考)増配率10%程度以上無配無配
○の数6/7
※2021年5月8日時点のデータです。(株価 3291ドル)

 

解説

 アマゾンは世界最大の通販会社というのが一般認識ではないでしょうか?

 しかし、アマゾンは、クラウド(AWS)、スマートスピーカー(アレクサ)などハイテク企業が得意とする分野でトップシェアを獲得するなど、ハイテク企業の側面も持ちあわせています。
 さらに、ホールフーズ(日本でいう成城石井的なスーパーと私は認識)、Amazon Go(レジ無しコンビニ)など、実店舗も経営するなど、その事業は拡大を続けています

期待① 驚異的な営業キャッシュフロー成長率

 アマゾンの創業者、ジェフ・ベゾスCEOは、投資家向けに、当社の決算ではキャッシュフローを見てほしいと昔から言っています。
 その意図としては、儲けたお金を事業拡大のための投資にまわしほとんど利益を残さなかったため、決算の数字上、昔から純利益がほぼゼロという状態が恒常化する一方で、本業の儲けを示す営業キャッシュフローは右肩上がりであったためです。

 しかし、最近では、利益を残すようになってきており、2017~2020年の年平均純利益成長率は驚異の+89%となっています。

 それを可能としているのが、+53%と驚異的な営業キャッシュフローの成長力です。
 今後も、この驚異的な成長が続けば、株価も上昇していくと思われます。

期待② PERは意外に割安??

またこ
またこ
ちょっと待って!7項目の表だと⑥PERは×なんじゃないの?

 普通そう思いますよね。ではなぜ”意外に割安??”となるのかをご説明します。

PER 定義

PER=株価 ÷ 1株当たりの当期純利益
※当期純利益に対して株価が今何倍かを示す

 PERの定義は上のとおりですので、純利益が実績で+89%で伸びており、今後も30%以上で成長していくのであれば、数年後には今の株価ベースで考えると、割安なPERになりますよね。
 例えば、2025年まで40%の利益成長が続いた場合、現在の株価で計算すると2025年にはPERは15になります。
 今、Amazon株を持っている人は多分こういった理由で持っているのだと思います。

※PERの調べ方は以下の記事にまとめておりますので、興味がございましたら、併せてご覧ください。

米国株PER(個別株・S&P500指数)の調べ方 -割高・割安の判断方法まで-  本記事では無料で、口座開設なども行わずに米国株のPERを調べる方法についてご紹介します。 私自身、米国株を始めたての頃はPERの調べ...

期待③ クラウド事業の成長

 アマゾンは、利益の大半をAWSというクラウド事業で稼いでいます。そして、マイクロソフトなどの数あるテック企業をおさえて、シェアNo.1です。
 今後もこのドル箱事業が成長していくようでしたら、Amazonは安泰だと思います。

不安① 期待の高さ

 やはりアマゾンの不安としては、期待②の裏返しとなりますが、市場の期待の高さだと思います。
 2019年からのコロナ相場では、巣ごもり需要を追い風に更に成長を加速させました。

 しかし、少しでも逆風が起きればその期待の高さゆえに、株価というのは一気に下落することが予想されます。

不安② 固定資産の多さ

 アマゾンは、全て自前で行うことで低価格を実現してきました。倉庫、航空機、トラックなど全て自前で持ち、独自の配送網を築いています。
 そうした多くの固定資産を所有しているがゆえに、不安①で示したような逆風や天災などで、売り上げが落ち込んだ時には、外注に比べそのあたりの調整が効きづらく、固定費の支出が多くなるなどの不安があります。

まとめ

 不安要素を頑張ってひねり出しましたが、天災など、どの企業にも当てはまるようなありきたりな要素しか思いつきませんでした。現時点では、脅威となる競合相手も思いつきませんでした。

 アマゾンをチェックする際は、高PERに納得できる成長を今後も期待できるかというのが肝になってくると思います。

 以上、皆様の参考になれば幸いです。

書籍 & 他銘柄紹介記事紹介

 私は、以前Amazonに投資していたと冒頭でお話ししましたが、その際、3冊の本を読みました。そのうちの2冊を今回簡単に紹介させていただきます。

サクッと読みたい方

 ざっと事業内容を知りたい方には著者も日本人で、日本マイクロソフトの社長も務めた成毛さんの著書”amazon 世界最先端の戦略がわかる”がおすすめです。

濃く知りたい方

 本書”ジェフ・ベゾス 果てなき野望-アマゾンを創った無敵の奇才経営者”は、アマゾンの歴史のほか、CEOのジェフベゾス氏のことが濃密に書かれており、Amazonのことをよく知ることができる本です。
 ジェフベゾス氏のビジネス相手に対して冷酷ともいえるような怖さという側面をこの本を通じて知ることができました。

他銘柄分析記事の紹介

 ほかの銘柄についても、サイドバーのカテゴリーの”銘柄分析”にございますので、併せてご覧ください。
 (以下、リンクも貼っておきます)

またおの米国株投資 ”銘柄分析カテゴリー”

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