この記事では、私が米国個別株の売買判断をする際に必ず確認する7項目を使って、マイクロソフト(MSFT)の銘柄分析を行います。
※2021年5月8日更新しました。
マイクロソフト(MSFT)は実際に私が保有している銘柄の1つで、記事の最後にはどうして買ったのか、どうなったら売り判断をするのかなども記載していきます。
なお、7つの判断基準の考え方の詳細は以下の記事にまとめています。併せてご確認ください。
株価分析結果
7項目については以下の表のとおりで、7項目すべてで判断基準を満足していますので、”買い”と判断します。
項目 | 過去実績(17-20年) | 将来予想(21-22年) | 判定 |
①比較優位性・ブランド力 | Windows office,Azuru | 同左 MR | ○ |
②売上高成長率10%程度以上 | +17% | +14% | ○ |
③純利益成長率10%程度以上 | +29% | +20% | ○ |
④営業CF成長率10%程度以上 | +15% | 不明 | ○ |
⑤フリーCF成長率10%程度以上 | +13% | 不明 | ○ |
⑥予想PER40(来期35)程度以下 理想は35(来期30)程度以下 | 32(今期) | 30(来期) | ○ |
⑦その会社が好き | surface 2台所有 | 同左 | ○ |
(参考)増配率10%程度以上 | +9% | +11% | ー |
○の数 | 7/7 |
解説
マイクロソフトと言えば、事業内容の解説は不要でしょう。というくらい強いブランド力を持っています。
お勤めの会社のPCのOSがWindowsで、office(ワードやエクセル)がインストールされているという読者の方も多いことでしょう。
それでは早速、私がマイクロソフト株を買った理由と売るときの考え方を以下に記載していきます。
買った理由① 圧倒的なブランド力
特に栄枯盛衰の激しい情報技術の会社の中で、業界トップシェア(OS)を守り続けてきたことや圧倒的なブランド力を持っていることです。やはり、株を所有するうえで安心感があります。
買った理由② 成長力
この規模の会社で売り上げや利益を毎年10%以上も成長させていっているというのは驚異的です。
また、配当もしっかり出しており、増配率約10%を過去数年継続しており、配当の源泉となるフリーキャッシュフローも同様に10%超で成長しているため、今後も同規模の増配を無理なく期待できることも株主にとってはうれしい点です。
これらの成長の牽引約となっているのは、クラウドサービスの「Azure」です。
世界のクラウド市場は今後、年率35%程度の成長が見込まれており、マイクロソフトのクラウドサービス「Azure」は、その約20%のシェアを握っています。
最近流行りのテレワークにしても、クラウド上にデータを保存し、それを自宅でも参照でき、社内の関係者間で共有することができないと、とてもじゃないですが仕事になりません。また、会社の大事な情報が流出や消滅などしてしまっては洒落になりませんので、「買った理由①」にもつながりますが、やはり信頼のおける企業でないと安心して利用できません。
そのため、これからもこれら成長市場をうまく取り込みながら、会社が成長すると考えていることが買った理由②になります。
買った理由③ 売上・利益の多角化
マイクロソフトの売上、利益構成は、officeやリンクドインなどで1/3、クラウドで1/3、Windows、surface、XBOXなどで1/3となっており、売上・利益構造の多角化に成功しています。
なぜ、多角化が良いことかというと、例えば、ある製品に売り上げや利益の大部分を依存していたとすると、思わぬ競合の出現などにより、一気に経営が傾く心配があるためです。例えば、マイクロソフトの代表商品としてブラウザのインターネットエクスプローラー(IE)があります(した)。
昔は、90%ものシェアを握っていましたが、今ではchromeの1強となっています。このように、今後10年、20年と会社が生き残るためには、事業の多角化に成功しているというのは非常に大きな強みになると考えています。
売るときの考え方
最後に、どうなったときに売るかを記載させていただきます。
答えは当たり前ではありますが、買った理由①~③のシナリオが崩れた時です。
ブランド力や成長力を失った時には、売ることを検討します。
私はコロナショックを経験しましたが、○○ショックなどが起きた時には、やはりこのままこの株を持っててもいいのかと心配になります。そんな時には、冷静にこの記事を読み返し、今回の暴落でこれらの①~③のシナリオが崩れそうかと自問自答し冷静に立ち回るようにしたいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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