銘柄分析

【銘柄分析】アルファベット(GOOGL)【Google】

 この記事では、私が米国個別株の売買判断をする際に必ず確認する7項目を使って、Google(グーグル)の親会社アルファベット(GOOGL)の銘柄分析を行います。
 ※2021年5月8日更新しました。

 アルファベット(GOOGL)は実際に私が保有している銘柄の1つで、記事の最後にはどうして買ったのか、どうなったら売り判断をするのかなども記載していきます。

 なお、7つの判断基準の考え方の詳細は以下の記事にまとめています。併せてご確認ください。

【銘柄分析】米国株個別株検討の際に確認する内容の紹介 米国株個別株の購入を検討する際に、私が必ず確認する内容(指標)についてお話しします。皆様の投資対象を決定する際の参考にしていただければ...

株価分析結果

 7項目については以下の表のとおりで、7項目すべてで判断基準を満足していますので、”買い”と判断します。

項目過去実績(17-20年)将来予想(21-22年)判定
①比較優位性・ブランド力Google検索
YouTube
同左
GCP
②売上高成長率10%程度以上+18%+23%
③純利益成長率10%程度以上+16%+27%
④営業CF成長率10%程度以上+21%不明
⑤フリーCF成長率10%程度以上+21%不明
⑥予想PER40(来期35)程度以下
 理想は35(来期30)程度以下
27(今期)25(来期)
⑦その会社が好きpixel5,map,
photo,mail
YouTube
同左
自動運転
(ウェイモ)
(参考)増配率10%程度以上無配無配
○の数7/7
※③の2017年は異常値排除して計算しています ※2021年5月8日時点のデータです。(株価2352ドル)

解説

会社説明

 アルファベットという社名はあまり馴染みがないと思いますので、簡単にアルファベットの組織について触れさせていただきます。

 2015年までGoogleは検索を中核事業としつつも、全ての事業の指揮を担う会社でした。会社の規模が大きくなるにつれて中核事業と関係ない事業の規模も大きくなったり、多角化していき、それら中核事業以外の事業の経営を独立させることで、経営の効率化、責任を明確化させるため、アルファベットを親会社とする持ち株会社の体制に移行し、Googleはアルファベットの子会社としました。

 余談になりますが、最近では、ソニーがソニーグループによる持ち株会社に移行するという、同様の発表をしていましたね。

 それでは早速、私がアルファベット株(以下、アルファベットとGoogleという言葉が入り乱れていますが、同義とお考え下さい)を買った理由と売るときの考え方を以下に記載していきます。

買った理由① 圧倒的なブランド力とユーザー数

 Googleって何?聞いたことないんだけど?っていう人って想像できますか?想像できないですよね。それくらい、検索市場では圧倒的なブランド力を有しています。ブランド力だけではなく、技術力も相当有しており、「Bing検索」と検索結果を比較すると、Google検索のほうが、欲しい情報にすぐにたどり着けます。※Bing検索はマイクロソフトが提供しています。

 また、YouTube、Android、Gmail、Googlemap(ストリートビュー、アース)、Googleフォト、chromeなど、トップシェアを誇るサービスを多数抱えており、利用者数も桁違いです。
 このように、圧倒的なブランド力とユーザー数を抱えていることが買った理由①になります。

買った理由② 既存事業の成長

 Googleは広告事業で利益の大半を稼ぐビジネスモデルです。
 この広告事業はこの規模に成長しながらもまだまだ+20%という圧倒的な成長力を有しています。

 Google検索した際にそのキーワードに連動した広告が表示されると思いますが、そういった広告収入も順調に伸びていますが、やはり成長の牽引役になっているのがYouTubeです。YouTubeに取って代われるほどの動画配信サービスが現れていないことから、この成長は今後もまだまだ続くと信じています。

 また、前回の決算発表で衝撃だったことがGoogleのクラウド事業になります。買った理由③で詳細に記載しますが、Googleはあまり各事業個別の売上高、利益を決算で公表しておらず、前回(20年10~12月期決算)で初めてクラウド事業の詳細を公表しました。
 その結果というのが、Googleのクラウド事業が四半期売上高38億3100万ドルに対して、12億4300万ドルの赤字ということです。この結果を見て私は、「アルフェベットの伸びしろスゲー!!!!」って感じました。なぜそのように感じたかということを、アマゾンとマイクロソフトの利益構造を基にご説明します。
 ・世界のクラウド市場におけるGoogleのシェアは第3位で、1位はアマゾン、2位がマイクロソフトです。
 ・市場シェア1位のアマゾンは営業利益の大半(昔は8割とか稼いでいましたが、最近はその比率が下がっています)をクラウド事業で稼いでいます(実はEC事業じゃないんです)
 ・市場シェア2位のマイクロソフトは営業利益の約3割をクラウド事業で稼いでいます
 ・市場シェア3位のGoogleのクラウド事業は年率40%程度で成長を続けており、今は投資フェーズで赤字ですが、今後回収フェーズに移行できれば大幅な利益をもたらすことになるでしょう。
 ・もしかしたら、意味が違うかもしれませんが、GoogleはGoogleフォトを今年の6月から有料化することを発表しましたが、私はこのニュースを見て、無料でシェアを獲得する期間を終え、今後は投資資金を回収するなど、クラウド事業全体を回収フェーズに移行させていこうという意思の表れのように感じました。

買った理由③ 未来への投資

 正直、未来への投資に関しては、現CEOのスンダー・ピチャイ氏に代わる前までは、逆にマイナス要素であると考えていました。数年前のGoogleに対しての私のイメージは、広告事業で稼いだ利益を、本業と関係のない事業に投資し、それがうまくいかずに利益を食いつぶしているイメージがありました。

 しかし、現CEO下での決算発表では、どの事業が赤字で、どの事業が黒字か明確に開示するようになりました。(それまでのGoogleは全部ごちゃまぜで売り上げや利益を開示しており、Google検索、YouTube、クラウド事業のどれでどれだけ稼いでいたかなどが不明でした。)
 これは、利益の出ていない事業は積極的にテコ入れをしていくという現れではないかと考えており、例えば去年(2020年)3月には自動運転のウェイモで初の外部の投資家から資金調達を行ったほか、気球ネット企業Loonの解散を今年(2021年)1月に行ったことなどは私にとっては好印象に映りました。補足ですが、ウェイモは、自動運転業界では相当上のランクにいると私は思っていますので、お荷物事業とは全く思っていません。しかし、競合他社に対して圧倒的に優位性があるのかや、利益を生むフェーズが何年後になるかなどを考えると、アルファベット単体で所有しておくにはリスクが高い事業ともともと考えており、リスク分散という点で外部資金を投入したのは正しい判断だったと私は考えております。

 このように、具体的にどの事業がとは言えませんが、きっと、スンダー・ピチャイCEOなら、技術者としてだけでなく、経営者としてもとても優秀な方ではないかと判断し投資判断○としました。

 実際、私は上述したような理由により、一度全ての持ち株を手放した期間がありましたが、現CEOになって、Googleに『わくわく』するようになり、再度購入に至りました。

売るときの考え方

 以下のいずれかのような事態になれば売却を検討します。

その1 広告事業の失速

 アマゾンが広告事業でシェアを伸ばしており、これらの動向から目が離せません。
 今は、何か買いたいものがあるとGoogle検索ではなく、直接アマゾンのサイトにアクセスして、買う人が増えているそうです。
 また、検索も今後、文字入力ではなく、音声検索(アレクサなど)が主流になるなどの事態になった際には、検索による広告収入が大幅に減ることになるため、こういった点もしっかり確認していきます。

その2 動画配信サービスのシェア低下

 またアマゾンの話になりますが、アマゾンのTwitchという動画配信サービスが急成長しています。特にゲーム実況動画が成長しており、これらの市場シェアに注意していきたいと考えております。

その3 クラウド事業の失速

 成長期待の高いクラウド市場で失速するようであれば、売却を検討していきます。

その4 スンダーピチャイCEOの事業選別に疑問をもったら

 買った理由③に記載したとおり、スンダーピチャイCEOの事業選別には大いに期待しています。私のわくわくがなくなった時には売ることを検討するかもしれません。

売るときまとめ

 売るときの考え方をいくつか書きましたが、Amazonの強さを改めて思い知ることになりました。(売る理由①~③はすべてアマゾン関連です)
 さすが、デス・バイ・アマゾンという造語を作り出しただけのことはあります。
 今後も、決算のたびに数字をしっかり確認し、売買の判断を適切に行っていきたいと考えております。

 かなり長文になってしまいましたが、最後までご覧いただき誠にありがとうございました。

 サイドバーのカテゴリーの”銘柄分析”にて関連記事がございますので、是非ご覧ください。
 (以下、リンクも貼っておきます)

またおの米国株投資 ”銘柄分析カテゴリー”

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